昭和の文豪・井上ひさしの娘で劇団「こまつ座」代表の井上麻矢が、生前に父が構想した作品「母と暮らせば」に関連する長崎の地をたどる旅路を記録したドキュメンタリー。 井上ひさしは自身の戯曲「父と暮せば」の対となる作品として、被爆死した若者と母との交流を描いた「母と暮せば」を構想したが、実現することなく死去。その後、娘である麻矢の企画により山田洋次監督のメガホンで映画化が実現。さらに、麻矢が代表を務める劇団「こまつ座」で舞台にもなったが、長崎での公演は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて中止になってしまう。そこで麻矢は、映画「母と暮せば」の思い出の地をたどる旅に出る。そして、その中で今も残る戦争の悲劇や、知られざる長崎の真実に触れる。 監督は「祈り 幻に長崎を想う刻(とき)」「天心」などを手がけた松村克弥。